頭痛外来について

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• 誰もが一度は経験したことのあるであろう「頭痛」。市販の頭痛薬を飲んで誤魔化したり、我慢していれば治るからと病院に行かない方もいらっしゃいますが、実はとても危険です。医療機関を受診せず、自己判断で市販薬を飲み続けた結果、薬を飲んでも頭痛が治らない「薬剤の使用過多による頭痛（薬物乱用頭痛）」になってしまう方もいらっしゃいます。どの病気にも言えることですが、頭痛も専門の医療機関で診断を受け、早期にきちんとした治療を行うことが大切なのです。
  頭痛には、生活の質を大きく下げてしまう一次性頭痛（片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛など）と、命に関わる二次性頭痛（クモ膜下出血、脳出血、脳腫瘍、髄膜炎、脳炎など）があります。頭痛外来では、頭痛専門医がしっかりと症状をお伺いした上でMRIをはじめとした必要な検査を行い、「なぜ頭痛が起きているのか」をはっきりとさせていきます。正確な診断と適切な治療を行い、頭痛と上手に付き合いながら症状を抑えるためのサポートをさせて頂きますので、お気軽にご相談ください。

代表的な頭痛の種類

• 一次性頭痛

  片頭痛（偏頭痛）

  片頭痛（偏頭痛）は、ズキンズキンと痛むタイプの頭痛で、多くは頭の片側に起こりますが両側に起こる方もいます。発作的に起こる頭痛で、吐き気を伴うこともあり生活の質を著しく下げてしまう辛い頭痛です。発作中は光や音、匂いに敏感になり、これらの刺激で悪化することもあります。
  人によっては、発作が起こる前に偏頭痛の前兆（閃輝暗点・手足のしびれ・言葉の喋りにくさなど）がある方もいます。片頭痛は一次性の頭痛ですが、前兆のある片頭痛は脳卒中のリスクとなりうることが知られており、注意が必要です。

  緊張型頭痛

  緊張型頭痛は、肩こり・ストレス・睡眠不足・眼精疲労・運動不足などを原因として起こる頭痛です。頭痛の中で最も多いタイプとされ、重苦しく締め付けられるような痛みが特徴で、多くは両側に症状があらわれます。頭痛の程度としては軽度～中等度で、個人差はありますが30分から7日程続く方が多いです。寝込んでしまうほどの強い痛みではないとされています。

  群発頭痛

  群発頭痛は、数年に一度の頻度で数週間から数ヶ月程度の一定の期間に集中して、激しい頭痛をきたします。耐え難いほどの痛みがあり「目の奥がえぐられるような痛み」と表現されることもあります。
  男性に多いのも特徴で、頭痛のほかにも流涙、鼻閉感、鼻みず、結膜充血、顔面紅潮などが現れます。

• 二次性頭痛

  くも膜下出血による頭痛

  頭痛の中で最も恐ろしいものと言っても過言ではないのが「くも膜下出血」です。今まで経験したことのないような頭痛が雷のように衝撃的に激しく起こり、意識を失ってしまう方もいます。吐き気やめまいを伴うことも多いです。
  くも膜下出血の多くは、脳動脈瘤という血管のコブが破裂することで起こります。ですので、上記のような症状があった場合は必ずMRI検査を行い早急に出血の有無を確認する必要があります。脳ドックなどを受けられている方の中には、MRIなどの検査で事前に脳の動脈瘤が見つかる場合もありますので、定期的な検査が大切と言えます。

  脳腫瘍による頭痛

  脳腫瘍による頭痛は突発的に起こるものではなく、数ヶ月から数週間かけて徐々に痛みが強くなっていくことが多いとされます。ただし、頭痛が現れた時には腫瘍が大きくなっている可能性が高いので速やかに検査を受けましょう。
  特徴としては、朝方に症状が現れる場合が多く頭痛で目覚める方もいます。手足のしびれ、眼が見えにくい、けいれん、ふらつき、嘔吐などの症状を伴っている場合は要注意です。画像診断を行った上で腫瘍が良性か悪性かを判断し、治療計画を相談しましょう。

  その他の二次性の頭痛

  脳梗塞・脳出血・脳動脈解離・椎骨動脈解離・脳血管攣縮・慢性硬膜下血腫・髄膜炎・側頭動脈炎・高血圧・低酸素血症・副鼻腔炎・帯状疱疹など、頭痛の症状が出る疾患は多岐にわたります。

こんな時は早めに受診を

日本頭痛学会が公開している慢性頭痛の診療ガイドライン（http://www.jhsnet.net/guideline.html）では、二次性頭痛を疑うサインとして以下が挙げられています。このような自覚症状がある方は、早急に専門の医療機関を受診することが大切です。

• 突然の頭痛
• 今までに経験したことのない頭痛
• いつもと様子の異なる頭痛
• 頻度と程度が増していく頭痛
• 50歳以降に初発の頭痛
• 神経脱落症状を有する頭痛
• 癌や免疫不全の病態を有する患者の頭痛
• 精神症状を有する患者の頭痛
• 発熱・項部硬直・髄膜刺激症状を有する頭痛